鎌倉から、こんにちは

「鎌倉発、韓国ソウルまで。」
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紡がれる家族の物語。映画の話です。久しぶりに推薦したくなった映画です。

 

土井康一氏の長編初監督作品「よあけの焚き火」を紹介します。

八ヶ岳でお付き合いしている知人のご子息が映画を作ったという話は昨年から聞いていた。

このほど作品が完成して「ポレポレ東中野」という単館上映の映画館の初日に行った。

 

監督が映画で描きたかったのは「家族」。その日常は、「伝える」というコミュニケーションの連続だ。

「伝える・伝わる」とは、どういうことなのか。

 

 

監督はその問いの答えを主演の大蔵基誠(もとなり)、康誠(やすなり)という、

能楽師大蔵流狂言方の実の親子に託した。

伝統芸能を継承・伝授していくことを宿命として背負った親子の姿を通して、

「伝えること」という普遍的なテーマを冬景色の蓼科で、映像に昇華させた稀有な作品となった。

 

【ストーリー】  見ていただくので、あまり饒舌には紹介しませんが…。

 

 

父と息子。職業。能狂言方。雪解けに近い山の稽古場。

650年の伝統を持つ狂言方の家に生まれた大蔵基誠と、10歳になる息子の康誠。

冬、父と息子は山の稽古場へ向かう。

二人の親子は、誰もいない稽古場で朝から一日、稽古に励む。

 

 

ある日、その親子を静かに見つめる少女、咲子が現れる。

家族の歴史を受け継ぐ康誠と、家族を失った咲子。

「運命」を背負った二人の心が静かに交差し始める……。

そこから物語は始まる。

 

私の好きな八ヶ岳(蓼科)の冬風景の中で映画は展開する。

ミュージシャンの坂田明が地元の猟師として重要な役割で主人公に絡んで好演している。

 

 

ある日、坂田(宮下勇)は、家族を失った親戚の少女・咲子を信州に預かり、大蔵親子に紹介する。

真っ白な雪景色の中での、二人の幼い子供の触れ合いが目を離せない。

ある朝、二人だけで入った森の奥で、咲子は大きな樹の下に横たわった牡鹿の頭蓋骨を見せる。

生と死、それを包み込む大きな時の流れ。

 

 

康誠は母から「お守り」として与えられたベル(鈴)を咲子へ与える。女の像のベル。

まさに二人の「よあけ」が始まるのだ。

 

 

冬の雪景色、真っ白な世界。グラフィック的な撮影の丸池納の映像は、

狭い古民家の中を静かに、カメラを移動させてモノクロ的な映像を展開している。

その映像は、むしろ暖かく感じる。

作品の舞台になる古民家は、東京から写真家で映画監督の本橋成一さんの祖母の家を、

昔、蓼科に移築したもので、そのまま空き家になっていた家を映画のセットにした。

狂言師の親子の技の伝道には、この上ない舞台だ。

よくぞ、見つけた。

 

親子二人で自然な関係で、囲炉裏を囲んでの朝食、そして夕餉のとき、

狂言ごっごで、普通の会話を狂言のセリフのように交わす親子。

栗がはじいて火が跳ねる瞬間、父に飛びつく息子。演技を超えた「素」が見えた。

 

 

音楽を担当したのは坂田学さん。坂田さんのご子息だ。

トークショーで坂田明さんが

「若いころは旅公演が多く、自宅には寄り付かず、狂言師の親子のような

むしろする気もなかったが、技の伝承などできなかった。学は自分で育った」と。

音楽のジャンルも全く異なる。

ふと、私自身のことを振り返ると、二人の息子には「背中」を見せているだけだった。

80年代の広告業界。家に帰るのも忘れてONOFFもなく走りまわっていた。

坂田さんのコメントを聞いて、同じような感想を持った。

 

 

今週の上映が終わると、おそらくしばらくは、東京では見られない。

もう一度劇場へ足を運びたくなる映画だ。

 

 

映画が終わって、ロビーの脇で、土井監督、坂田さんとご挨拶と映画の感想をお話ができた。

 

 

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